「100年マンションへの道すじ」 編集委員会代表 谷口浩司
前略
皆様の各分野でのご活躍に敬意を表します。終息しそうもないコロナウイルス感染状況のなか、何かと工夫を求められる日々が続いており、近況、お伺い申し上げる次第です。
さて私たちは、京都の地において、1980年代初頭よりマンションの様々な問題に取り組んでまいりましたところ、この度その
40年余を振り返り、「マンションを未来に繋ぐ運動と組織」について、京都における実例や研究として一書にまとめました。
皆様にお読みいただきたくご案内申し上げます。
本書が紹介している、市場の機能による管理評価に着目しました私たちの独自の活動については、京都ならではありますが、実践的でありかつ普遍性があると各方面にアピールしていきたく存じます。
本書刊行に際し廣田信子様にはさっそくご紹介賜り、各地の関係者から多数、問い合わせをうけることとなり、その影響力に感心しております。京都新聞からも取材を受けその記事による反響も続いております。マンション管理新聞では本書刊行の意図を的確に紹介していただきましたところ、同新聞読者からの購入希望も多く、皆様にあらためて、お礼申し上げる次第です。
本書は、「歴史的な都市・京都とマンション」といった、いささか重いテーマへの取り組みでもありますが、町家の再生とともにマンションの長寿命化にむけて一石、投じることができたようで、こんごもいっそう努力を傾けたいと念じております。
京都市は本年、国土交通省の新たな施策の一環として「管理計画認定制度」をスタートするとともに「管理の良い中古マンションが市場で評価される仕組み」を構築する方針です。時宜を得た取組みと歓迎するものです。
本書の内容の一つでも参考にしていただき、これらの流れを促すことができるよう念じております。
早々